常呂町立特養ホーム 1人死亡、5人が骨折 4−8月 介護ミスか、町長陳謝

 常呂】網走管内常呂町の町立特別養護老人ホーム「のぞみの園」(山崎裕之園長)で今年4月から8月にかけて、入園者のうち1人が死亡、5人が骨折する事故が相次いでいたことが22日までに明らかになった。事態を重視した網走保健所は原因の究明と改善を同ホームに指導、同町は職員の介護ミスの可能性を認め、関係者らに陳謝した。

 同町によると、死亡したのは同町内の女性(87)で、八月十四日に朝食中にのどを詰まらせ、病院へ搬送されたが、容体が回復せず一週間後の二十一日に亡くなった。介護職員が女性の上体を起こし食事させていたが、体位の取り方に問題があったとみている。

 骨折したのは七十九歳−九十二歳の女性五人。四月に一人がベッドから車いすへ移される途中に左足を折ったのをはじめ、七月には歩行器を使い移動中に転倒し左腕を折ったり、入浴介護中などに胸の骨を折る事故が相次いだ。いずれのケースもそれぞれ別の介護職員が付き添っていたが、介助の際に力の加減などを誤ったとみている。介護職員の中には採用間もない新人もいたという。

 二十一日開かれた同町定例町議会で井原久敏町長は関係者に陳謝したことを明らかにし、再発防止に全力を挙げることを表明した。

 山崎園長は「利用者の方には申し訳なく、施設としてあってはならないこと」と話している。現在いる三十四人の介護職員に専門学校で研修などを受けさせ、介護技術の向上や意識改革に取り組むとしている。

 同ホームは一九七二年一月開設で、定員は百床。現在の入園者は九十三人。