ネット時代の反論術 仲正 昌樹

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金沢大学法学部教授、仲正昌樹著作。
インターネットが発達したことによって誰もが主張、批判することが出来るようになった。
理不尽な言い掛り”をつけてくる相手に対する“反論術”を、数々の「論争」に参戦してきた著者が伝授すると言った内容。


著者が編集者に口頭で語った内容をテープ起こしして若干手の加えた内容。著者は雑な内容になっていると述べているが私自身はとても分かりやすく読むことが出来た。

ブログの炎上、大規模掲示板で日々行われてる罵詈雑言合戦。半ばそれが様式美であるかのように決まった文言で応酬しあっている。
実際論議の本質からずれ言葉尻をとらえ脊髄反射で批判するのは「批判」足りえない。

そういった「批判」といえない事に出会ったときあなたならどうするのか。
1.「許す」
2.「無視する」
3.「報復する」
4.「反論する」

本書は最後の「反論する」をテーマにしている。

ただ真っ向からぶつかって論議しろとは薦めていない。勝負を装い論議を見守る第三者へ自分をアピールする、仮想敵を作り出し事により
「味方」をこしらえる。等等論議自体に自身にとって得があるのか見定めたうえで小手先のテクニックを行使する。

結びとしては「バカに対して反論するなんて基本的に同じレベルのバカのやることですからやめたほうがいいですよ」としている。納得である

「批判」に対する「反論」テクニックも役立つものだろう。が、本書で気づかされた一番の事柄は「批判」「反論」が本当に心の内をさらけ出し主張しあうものではなく多くは何らかの意図を持ち効果的な言葉を吐いているだけなのを知った。
どうやら私は相当世間知らずだったらしい。ここで述べられている味方など意識せず自分の心の内を主張していただけだった。会議がうまく廻らないわけである。